山の写真集 (2008年夏 特集 3)

写真集目次へ トップページへ  


全体の写真は、「Google+写真」(クラウド)を利用しています。
下記の写真はごく一例で、全ての写真は下記 「全ての写真はここをクリック」 をクリックすると、「Googleフォト」 に繋がり、全ての写真が一覧で表示されます。オートスライドショー又は個々の写真を順送りしてご覧いただけます。 使い方は 
こちら に詳しい説明を作成してありますのでどうぞ。

白馬岳 登山    撮影 : 2008/8/9〜10   全ての写真はここをクリック
 

白馬大雪渓を登る

 

左から杓子岳、鑓ヶ岳、立山、剣岳

山名入りパノラマはここをクリック

白馬岳鑓ヶ岳とお花畑
(大雪渓が見える)

 

ハクサンフウロ、ミヤマセンキュウ

 

ハクサンイチゲ、シナノキンバイ

コマクサ

今回の白馬岳登山は、猿倉から大雪渓を登り、山頂の小屋で1泊して、白馬大池へ縦走し、蓮華温泉へ下るコースです。
猿倉の駐車場は狭いので、バスがタクシーを使わねばなりません。タクシーで猿倉に朝6時に着き、朝食後出発です。

白馬岳は高山植物の宝庫、猿倉から大雪渓への道はトレッキングコースとしても人気があります。大雪渓からの涼しい風の影響かで結構高山植物も豊富です。

大雪渓の下端は白馬尻小屋の上部となっています。このコースは雪渓上を2時間30分連続で急登します。
白馬岳は、日本最大の雪渓と日本一の種類と豊富さを誇るお花畑と変化に富んだ山容のため、北アルプス登山の中でも、初心者を含め人気がある山ですが、自然の厳しさは一級の山そのものです。アイゼンとストックは必須ですが、登山ツアーによってはヘルメットの持参を義務づけているところもあります。ヘルメットは実際に使用しているのは見かけませんでしたが、その位の対策が必要な山です。雪渓上にも落石の石が散乱しています。落石の危険がありますので、雪上ということもあり休憩は出来ませんが、涼しいので助かります。延々と登山者の列が続き、途絶えることがありません。

大雪渓の終点は、葱平(ねぶかっぴら)です、ここからの登りは足場も悪く急坂で、落石の危険がありますので大休止も出来ません、石を落とさないよう細心の注意が必要です。登山中も杓子岳斜面からガラガラと石が落ちて鳴っていました。但しここはお花畑の名所で、鑑賞しながらゆっくりと登ります。避難小屋跡付近からは、雄大な山容と花々を見ながら山行を満喫できる道です。ここの高山植物は文化財保護法で「白馬連山高山植物帯」に指定されています。 翌日、大雪渓で落石があり1人死亡とのニュースを下山後知りました。又10日後には大雨で土砂崩落があり2人死亡と1人行方不明のニュースがありました、その後2週間通行止めになりました。天気の悪い時はこのコースは危険です、思い切って中止する勇気が必要と思います。

杓子岳の右に鑓ケ岳が現れると間もなく村営頂上宿舎です、猿倉から5時間半で村営頂上宿舎に着くことができました。頂上までは猿倉から高差1700m あります。稜線付近から白馬岳頂上までも高山植物(お花)の宝庫です。白馬岳のお花畑は日本一の種類と豊富さを誇っています。

白馬山頂近くに2軒の山小屋があり、頂上に近い方は白馬山荘(山のホテル並みの施設もあり)、20分下方面に村営の頂上宿舎があります。両方で、2200人の収容人数があります。
頂上に近い方の白馬山荘の個室を予約しようとしたのですが、土曜ということもあり満杯、村営の方の個室が取れたので、そちらに宿泊しました。夏のベストシーズンは、1畳に4人寝るということもあるというので、個室を優先しましたが、山小屋としては天国で快適で安眠出来ました。
又村営の頂上宿舎の食事は、セルフテイク(バイキング)方式を採用していて、生ゴミの減量に役に立ち、味も良かったです。布団も清潔でした(小屋用携帯シーツは持参・使用しましたが)。
村営の個室使用料金は、6畳和室で、平日4000円、休日とその先日は8000円でしたが、安眠を考えると価値は充分あります。白馬山荘は個室の種類が豊富で高めです。

村営頂上宿舎にチェックインして、部屋に荷物を置いて、山頂への稜線を約1時間強散歩します。夏山の常ですが、午後になると下界がらガスが上ってきます(早い時は10時頃から)、従って朝のスタートは早いほどベターです。頂上宿舎の朝食も朝4.30から始まります。

村営頂上宿舎から白馬山荘までは20分、更に頂上までは15分掛りますので、ご来光を見るには、白馬山荘の方が便利です。
白馬岳は信州側が切れ落ちる非対称山稜になっていて変化に富んだ山容です、急峻なために土砂崩壊が起こり易い地形です。

ご来光の時刻は、この時期は5時前後なので、4時に起床、ヘッドランプを付けて頂上へ向かいます。昨夜は雨が降っていたので見れるか心配でしたが、早朝は見事に晴れてご来光をに会えました。頂上宿舎に戻って朝食をとり、6時15分にはスタートです。
白馬岳頂上へは、前日とご来光時に村営宿舎から2往復、縦走時と3回も白馬岳頂上に行くことになりました。白馬岳は「しろうまだけ」と読みます、駅名や村名は「はくば」と読んでいて読み方が混在しています。

2日目は、白馬岳頂上から北へ小蓮華山方面へ縦走します。村営頂上宿舎から白馬大池迄の所要時間は3時間20分、更に下りが2時間30分、計約6時間のコースです。別にご来光で1時間プラス。

このあたりの縦走路・三国堺(長野・富山・新潟県)付近には、コマクサの群落があります、小蓮華山への縦走路はガレ山に見えますが、山道脇には高山植物が結構多く楽しめます。この縦走路は、三国堺への下りに足場の悪い下りが少々ありますが、概して鼻歌交じりで豊富な花を観賞しなが歩ける快適な縦走路です。

白馬大池からは、蓮華温泉方面又は栂池方面かに下ることになります、昨年夏に栂池から白馬大池を往復しましたので今回は蓮華温泉へ下りました。この道は森林帯を下りますが単調で飽きがきました、しかも所要時間2時間のところ、3時間も掛ってしまいました(標準時間は疑問)、バスの本数も少なく、乗継も不便ですから要注意です。唯一良かったことは素晴らしい泉質の蓮華温泉で汗を流せたことです、ここは新潟県です。 昨年の記録があるので詳細は省略します、 「2007年夏/蓮華温泉」 からどうぞ。

オートスクロールのパノラマ写真は こちら Windows Live フォトギャラリーで作成したパノラマ写真を、FLASH で加工し、山名入りオートスクロールのパノラマ写真にしました、複数のパノラマ写真を連続再生します。私の他の広告の入るHPに繋がります、理由は当サーバは1ファイル1MBという制限があるためです。

今冬の降雪量は例年並で、春先からの気温が高く山岳の残雪は少な目とのことでしたが、標高2300m付近から上部は、例年よりも残雪が多いとのことでお花畠も8月に入って見頃になったようです。通常は小雪渓を横切るのですが、今年は雪渓上部から秋道を歩行するようになっていました。今年はカラ梅雨気味で早めに梅雨明けしたのですが、太平洋高気圧が強くならずに、夏空は続かず安定しませんでした、その割には猛暑とゲリラ的な集中豪雨が多かったようです。


(
余談)

 私が北アルプスに最初に登った山が白馬岳で、20歳の時でした、古希を迎えて、記念に50年ぶりの白馬岳登山を計画したのです。
実は30歳を過ぎてからは、アルプス級の山では、下りでも小一日の行程になるために膝が持たなくなりました。下りが3時間を超えない程度のハイキングばかり年相応?にやってきました。というわけで、当HP「新緑と紅葉の山写真集」が生まれた背景なのでした。しかしこれは誤りでした。
昨年尾瀬で6時間歩いた位で足が痛くて一時足が上がらなくなり、脚力の衰えを感じました。その後、反省をし、やや強めの登山を心がけて準備をしてきました。スポーツクラブでの鍛えのみではダメのようです。今年は冬山3回、7月に2回実行、直前の7月末には足慣らしに月山を縦走しました。それでも北アルプス・白馬岳の登山の厳しさは、さすがにアルプス級です、かなりきつかったのですが、それに勝る感動がありました。
 もう一つの余談ですが、私の山行には女房が毎回必ず同行しています、今回はかなりキツイ登山なので、女房の荷を軽くする目的で長野に住む息子を荷物持ちを兼ねて同行させました。ところが息子は途中で足が突っ張り不調となりあまり役に立ちませんでした。田舎で暮らすと車社会ですから、体を使っているようで意外と足を使っていないことが多いのです。足の筋肉は年に影響なく鍛えれば鍛えるほど強くなるようです。使わなければ筋力は衰える一方です。
女房も私も元気に歩きました。私より年配の方もみかけられ頑張っておられました、夏休みでもあり幅広い年齢層の方が登山されていました。
天候が悪い場合は中止やむ無しと思っていたのですが、今回は2日間とも天候に恵まれ、ご来光にもお目にかかれて幸運な山旅でした。さすが晴れ女・晴れ男の神通力です。なぜかバスツアーの登山に参加の場合には通じないことが多いのですがね。


ストック
 (ステッキ) について

 最近まで私はストックを使わない主義でした。カメラ撮影には邪魔で、岩や梯子の登り降りにも邪魔だし、街の中の移動中での収納も面倒と思っていたからです。しかし最近の中高年の登山者の殆どの人はストックを使っています。昔は雪上ではピッケルでしたが今では本格的な冬山でないかぎりあまり見かけません。今年の冬山軽登山で使ってみたところ使い心地が良かったので、最近の登山では持参して重宝しています。お年寄りの道具のように思っていたのですが、山登りには、足腰への負担軽減、脚力の補助、体のバランスを保つたり出来て良いと思うようになりました、特に下りなどでは膝の負担軽減に有効です、年なんだからもっと早くから使用してもよかったのにと感じました。

 ストック(stock)とステッキ(stick)の言葉ですが、前者がドイツ語で後者が英語で同じ意味なんだそうです、ストックは山スキーの流れからきたもので、普通の杖のことをステッキというそうです、トレッキングポールともいうようです。
 登山専用ショップで、このストックを購入する時に、伸縮が出来て収納時に短い方が良いと思って選ぼうとすると、店の方にお薦めできないといわれました、下りと登りではストックの長さを調整して使うものなので、ここではOKでもダメだと言われました。
スキーストック型で3段式に伸縮収納でき、スプリングを内蔵した衝撃吸収システのものを選びました。2本1セットのダブルストックで、女房と1本づつ使っています。いきなりダブルストックで使っていませんが、ダブルストックは70-80歳まで登山を楽しめる良き友になるとのことです。
T型グリップステッキはウォーキングに適しているが登山用には向かないということです。雪山用の交換バスケット(先端近くに付ける潜り防止リング)も購入しました。

 ところが、ストックの使用方法で問題が提起されています。ストックの先端にはラバーチップが付いていますが、これは街中の移動中のプロテクトの役目のみではありません。尖ったストックを地面に突き刺しながら歩くと登山道の土が帯状に掘り起こされて雨が降れば土が流され、登山道や植物へダメージ与えることになるのだそうです。しかし木道や岩道ではラバーチップは滑りやすいのでカバーを外して使うように指導されることもあります(説明書ではスリップレスラバーチップとはなっていますが)。登山にストックを使うのは、欧米から入ってきたもので、欧米の山では岩礫地帯が多いので問題ないようですが、日本の山では土が多いので、先端を土に突き刺しての使用は、登山道や自然にダメージを与えてしまうとの指摘です。トレッキングバスケットを取り付けてあれば沈み込みは浅くて済みますが穴をあけるのは同じです。面倒でも登山道にその都度合わせて使い方をこまめに変える必要があるようです。


  写真集目次へ トップページへ

inserted by FC2 system